KMC画報 2005年5月3・4日合併号
2005森林鉄道フェスティバル

  
その他の催し
保存車運転・公開座談会・写真等展示…


りんてつ倶楽部の実物公開運転
@田島停車場跡

今回の催しで、多くのファンにとって目玉といえたのは、りんてつ倶楽部がレストアを手がけている
実物林鉄車輛たちの公開運転ではないでしょうか。旧田島停車場の保存線は
このイベントのために線路も50mほど延長され、公開時間中は大勢の家族連れやファンで賑わいました。


軌道延長工事


これらは、先立って4月16日に軌道の延長工事が行われたときの様子です。
営林署OBの方々のあざやかなスパイキハンマーさばきで、作業は予想よりも短時間で完了したそうです。

●動画(3,591KB)


イベント当日は…


左:運転を前に、整備も念入りに…/中:DLも看板がわり?/右:機関庫前には活動紹介や車輛の解説を掲示。
 

今回の公開運転で活躍したのは、以下の3台です。


大型モーターカーNo.4
酒井製の大型モーターカーは運転手含め8名が乗車可能で、田島の車輛たちの中では
最大の輸送力を誇るため、今回の公開運転でも花形でした。

●走行シーン動画(4,726KB)
 


酒井工作所製5tDL No.132
末期のウグイ川線で活躍しファンにも名高い132号機。キャブ正面Hゴム2枚窓の、酒井工作所A型機関車としては
最末期の製品です(昭和35年製造)。エンジンは部品枯渇でレストアラー泣かせ?のセントラルKE21を搭載、
直管マフラーの排気音もたくましく、キャブにお客さんを乗せて保存線を往復しました。

●走行シーン動画(3,849KB)    ●キャブ添乗動画(7,361KB)
 
 


北陸重機製5tDL No.142
人呼んで“木曽谷最後の機関車”、その実は某砂防軌道でお役御免になった5t機を
610mm→762mmに改軌し入線させたものです。なんだ北重か、というなかれ、
世代交代の早い?某砂防軌道ではすでにこの年式('84年)のカマはいませんから
これはこれで貴重。トルコン装備で扱いやすいのが美点のカマです。
 
 

田島にはこんな新顔車輛も!今回のイベントで初公開となりました。


大型モーターカーNo.14。いわゆるハーフトラック型のモーターカーです。
レストア完了の暁には、人員輸送の花形になることが期待されているとか…(^^)


いわゆる“キャラメル型”のラッセル車。
MC14号ともども、元の所有者から譲り受けのうえ、去る4月に田島に搬入されたそうです。
 


公開時間中は、モーターカーやDLがフル稼働状態でした。りんてつ倶楽部のみなさん、お疲れ様でした!
 


公開談話会『林鉄との1日そして1年』 (5/3@公民館)

初日の3日15時より、公民館では公開談話会『林鉄との1日そして1年』が開催されました。
往年の林鉄関係者の方々をパネリストに迎え、スライドの映写も交えながら
林鉄現役時代の興味深いお話が披露されました。出席された方は以下の通りです。


林鉄関係者 西尾 博夫 元王滝営林署職員 岐阜県恵那の出身で昭和2年生まれ、
昭和18年から支線や作業線の内燃機関車の機関手
  三浦 幸二 元王滝営林署職員 滝越地区出身で昭和12年生まれ、昭和27年から線路の保線手
  日下部 登 元王滝営林署職員 
昭和12年生まれ、昭和27年から支線や作業線の内燃機関車の機関手、
林鉄廃止後はトラック輸送にも関与
  河口 湊 元王滝営林署職員 昭和12年生まれ、昭和20年から線路の保線手
  三浦 征弘 元王滝村役場職員 滝越地区出身で昭和13年生まれ、
昭和37年から滝越地区の通学専用列車「やまばと」号の運転手 
銀河書房刊「林鉄のむら」の著者でもある
コメンテーター 西 裕之 ネコ・パブリッシング刊『木曽谷の森林鉄道』・JTB刊『全国森林鉄道』著者
鉄道史研究会会員
司会進行 名取 紀之 (株)ネコ・パブリッシング『Rail Magazine』編集長


左:会場では一時期用意された150席が殆ど埋まるほどの盛況でした。 
右:参考で映写されたスライドにも興味深い画像が…専用7t機導入以前の『やまばと号』の写真。
 


写真・資料の展示@公民館

公民館では、KMCモジュールのほかにも各種の展示が行われました。


森下定一さんの写真作品展示


往年の上松運輸営林署に勤務、かつ熱心なレイルファンでもあった
森下定一氏撮影の写真が、モノクロプリント中心に30点余展示されました。



りんてつ倶楽部による写真・模型の展示

いっぽう、写真に関してはりんてつ倶楽部メンバーの撮影による
現役末期の鮮鋭なカラープリントも展示されました。
また、りんてつ倶楽部では、On2-1/2のレイアウトも展示。留置されている列車が
かわるがわる自動運転されるギミックが仕込まれています。



林鉄線路関係の各種資料展示

一部のファンの目をくぎづけにしたのは、ウグイ川線・小俣線の建設当時の線路図や橋梁図面の類。
これらは王滝森林管理署の収蔵資料であったものを、同署解散時に王滝村が引き継いで
保管しているもので、展示されたのはほんの一部だとのことです。


▲小俣森林軌道平面図(1/5000)


▲小俣軌道 ウグイ川橋梁図(1/50)―要は、黒渕の小俣線の橋梁の木橋時代の図面です
 


グッズ販売@公民館

公民館前の特設テントでは、イベント記念グッズ、王滝村の特産品、
そして協賛出版社各社の書籍・AVソフトの販売が行われました。


今回発売された記念グッズです。
左:マグカップ(他にBLWの絵柄もあり)
右:塩尻産『イヅツワイン』の記念ラベル入り・赤(他に白もあり)
下:ピンバッジ(他に上運色もあり)


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