修羅の木曽コーナーモジュール製作記
04 レールの巻 「木曽モジュール」の話に飛びついたものの、製作は「修羅の道」を行くがごとし。 |
■(左)赤沢の売店で買ったレールの輪切り文鎮。見たとおりその断面は恐ろしいほど小さいです。おそらく赤沢の旧い作業軌道の6kgレールじゃないかと思いますが、森林鉄道のレールって1級線でもかなり細い。40番でどっこいというところですから、レール高やフランジは模型としての宿命ですから、あまり気にしてもしょうがないような気もします。 確かに40番の細身の線路ハンドスパイクには実感があり、ポイントを自作したりしたことがありますが、腕のせいか走行性能はいまいち。モジュールでは走行性能を考えてPECOのフレキが適しています。むしろ70番をつかって見え方の工夫で、それなりの実感をめざしてみよう、というわけです。下は実物の枕木の規格です。単位ミリ、括弧書きは87換算です。 ○1級線 |
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おわかりのように実は枕木も相当オーバースケールです。前の橋梁づくりでは、トミックスの線路との接続点だったこともあり、少し細身を承知で2ミリのヒノキ角材を使いました。今回はオーバースケールなりに線路周りをにぎやかにすることで、それなりの雰囲気作りを目指しました。 ■(左)いざスタート。いつものようにピンでとめてフレキの長さを計りながらカット、デッキガーターに載る部分の枕木ははがしてしまい、接着。用意するものとしてはマイクロ・エンジニアリングのスパイク(Small)、0.6ミリドリルを装着したピンバイス、それにヤットコ。いつものように接着剤を使わず、枕木4つにひとつの割合で外側のモールドを切り取り、スパイクします。(左下)接続用のトミックス・フィーダーレール、ばっさり二つに切り、左側にはマイクロ・エンジニアリングの70番ジョイナーを先に植え込んであります。フィーダー上には6ミリ木工用ドリルで穴を空け天板から、背後の板へと線を通しました。 ■(下)バラスト撒き後。スプーンでレールの間から先に入れて、筆とマイナスドライバーで形を整えます。そのあと中性洗剤入りの水をスプレイヤーで吹いて湿らせた後に、ボンド薄め液をまいて固着、といういつものプロセスです。 |
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■次の作業にかかる前に枕木とかレールについてしまったバラストをマイナスドライバーではがして、掃除機で吸い込んでしまいます。 ■線路周りのアクセサリ。まずはガードレール。たしか55番のストックがあったはずなのに探しても見当たらない。しょうがないのて40番。相当高さが違うことを実感しながら内側線路に寄せてエルマグルーで接着。上はNMRAのNゲージ用スタンダードゲージ。フランジウェイが広くなって測るまでもなかった。右に転がっているのはウォルサーのレール磨き、強くこすると傷をつけてしまいますが、これでレール上面と内側面の塗装をはがします。 ■(左下)1ミリ角材による軌条支持材(チョック)。これがレール周りを案外にぎやかにしてくれます。王滝本線などのカーブには必ずこれがあります。枕木一本飛ばしって感じで入れました。接着後にデザインナイフで頭を切り飛ばし台形にします。(下)ディテイル・ウェストというところのホワイトメタル製70番用レールジョイナー、レール側面に適当に貼り付けてみました。(May 11) |
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■最終仕上げ段階のレール周りの表情です。このあとレールのトップと内側面の塗装ははがしてしまうので、これがウェザリングレールの見納め。レールにご注目。 ■まずマスキングテープを張ってあったレールを周りの地面となじませるため、一度バフ(グンゼの場合はセールカラー)を全体に吹きます。 ■レールの側面は、アクリル絵の具のオキサイド・レッドを細筆で塗装します。かなりぎょっとするほど派手な色ですので、乾いたらそれにパステルの酸化鉄を筆につけてぼかし、さらにバフを吹いてトーンを落として周りの色となじませます。マスキングは必要なし。バラストごと塗ってしまいます。レールはそれでOK。バラストは粒を強調するためにまたもや墨汁とドライブラシの繰り返し。墨汁で黒くなりすぎた場合はバフ吹きです。レールのさびさび感と地面から上がってくる土埃の調和。そこの加減の具合でニュアンスを変えます。 ■落石覆いの塗装がまだですが、ポリファイバーなど買い置きのシーナリー材料が底をついてきて発注中。来週は何をやろうかな? (May 18)
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